「第27回」 31. EF60 500番代 電気機関車



(実車)
交流電気機関車試用結果として、直流機でもED形でEFクラスの出力をもつ「アトム機関車ED61」が出現した話は既に述べた(「第15回」参照)これと同様に、EFながらEHと同等の引張力を備えた新性能直流機のトップを切ってEF60が1960年(昭和35)誕生した。
このEF60はBBB軸配置を始めて採用した電機で、東海道、山陽線のロングランを目的として製造され、EH10と同等の強力ぶりを発揮しながら、重量はEH10に対して20tも軽い96tに抑えられた。
本来は貨物用であるが「あさかぜ」などのブルーとレインを始め旅客列車牽引にも活躍した。
続々と量産されて150輌近い数に達するがデザイン的には前期と後期に分けられる。後期のものの側面はベンチレーター上に細長い窓を配置したのが特色で、このサイドビューはEF61、EF65に引き継がれた。
特急牽引機用は500番代がつけられ、塗装もブルートレイン用の薄クリームの塗り分けになり、一般用の栗色と区別されている。

(模型)

1964年(昭和39)カツミ発売 EF60 500番台塗装スミKIT組立。
前回のEF70発売から1ヶ月後このEF60が発売された。両者とも2Motor 2Inside Gear方式、模型としての基本構造も同一なので、カツミが生んだ双子のF級電機という表現の方が適当かもしれない。従って構造的な問題はEF70で述べた通りで、追加することはない。
塗装についてはTMS198号で「厚ぼったく光沢が強すぎて玩具的な印象」と批判されている。勿論そのきらいなくはないが、実機でも新製直後はこの位の光沢があっても不思議ではないと言える程度である。
それより何より1年後にカツミより発売された20系ブルートレイン客車の先頭に立たせても別に違和感を覚える程でない。1966年当社の初代固定式レイアウトが出来た時、DF50501が同じ天賞堂製で、しかも同じブドウ色の10系軽量客車8輌を牽引して4本あるエンドレスの1本を独り占めにした事はすでにのべた(「第17回」参照)この時隣のエンドレスで、これと覇を競ったのが今回のEF60501牽引の同じカツミ製20系客車8輌編成のブルートレイン「さくら」である。この両列車甲乙つけがたい統一美、均整美を競っている。その統一項目別対比を見てみよう。

  1. メー カー:オール天賞堂で統一対オールカツミで統一
  2. 塗  装:オールブドウ色で統一対オールブルーで統一
  3. 客車種別:一般軽量客車ナハ10系で統一対デラックス軽量客車ナハ20系で統一



この対決、昼間の運転では両者全く互角、優劣の差はつけられなかった。所が、夜間を想定して部屋を暗くしてみて様相は一変した。何の事は無いライトの多い方が圧勝するという事。
10系客車には室内灯が無い。あるのはテールライトのみ。所が20系には各客車に室内灯が装着され(これが大きな決め手)後尾にはテールライトの外にバックサインが煌々と輝いている。この違いは、夜間走行を8oフイルムで撮影し、それを映写してみた時一層はっきりそた。室内灯を持たぬ列車は存在しないも同然であり、一方室内灯を輝かし、テールライトバックサインを点灯して高架の線路を走り去る姿は美しく幻想的でさえある。
当時の初代レイアウトも8o映画フイルムも劣化で今はない。しかしこの時、映写された美しいブルートレインの夜間走行シーンは今も脳裡にはっきり焼き付けられている。最後に38年前競演を繰返した2本の列車の現在の姿をお目にかけて「第27回」を終了する。

(ブドウ色ナハ10系亜幹線夜行急行列車をイメージ…オール天賞堂製)
DF50501+オユ127+ナハ1180+ナハネ1146+オシ175+ナロハネ103+オロネ104+ナハネフ115+カニ38



(東京発下りブルートレイン長崎行きデラックス仕様「さくら」をイメージ・・・カツミ製)

EF60501+カニ2216+ナロネ21101+ナシ2029+ナロネ223+ナハネフ2320+ナロネ2051+ナハネ2010+ナハネフ221(最下段は控えの電源車カニ21)


(写真追加) ’05.9.17  EF60 500番台に40年振りに「さくら」のヘッドマークが取付けられたのでご披露する。




「第28回」 32. C57190 (4次型)蒸気機関車







(実車)
先にも述べた通り国鉄本線用旅客列車牽引蒸機には2つの系列がある。
東海道、山陽など50sレールの上だけを走るC53、C59の系列と、一般幹線用のC51、C54、C55と続く系列である。そして後者の系列はスマートなパシフィックC57の誕生で完成されることになる。
1937年(昭和12)に出現したC57は性能的にはボイラー圧力を16s/p²に上げ、形態的にもBox動輪の採用など大きな変化が見られ、ここにD51と並んで近代蒸機のスタイルが確立されたといってよい。そしてこのC57はC55と共に、北は北海道稚内から南は九州鹿児島まで、旅客列車の大半はこれらの形式の機関車で運転された。
合計201輌製造されたが、それらは4つのグループに分けられる。モデルのC57190は第2次大戦後の1946、47年に増備された最終グループ(第4次型C57190〜201)に属し、キャブが密閉式になった他、舟底形テンダーやプレート先輪、除煙板の形態などに基本型との違いが認められる。

(模型)
1964年カツミ発売 塗装スミKIT組立
カツミ発売のシュパーブライン「第4弾」がこのC57 4次型である。TMS 199号(1965年1月)製品の紹介欄によると「このC57 4次型は同じシュパーブラインのC62を変形した製品ということが出きる。
形態は違っても基本的な構造は多くのパーツと共に全く同一であり、また仕上がりも同水準の良品といえる」とある。
当社に在籍するC62はシュパーブラインではなく、鉄道模型社のC62である(「第24回」参照)今までカツミ、シュパーブライン C62の不在が何となく心残りであったが、このTMS記事でC57 4次型を組立てることでC62の組立ても体験出来たことにして慰めにしている。ところでC57 4次型の評価であるが、組立て過程もスムーズで、完成後の走行はレールへの追随性もよおく、安定走行への信頼性は十分である。唯一の不満は前進走行時のみ発生するギヤー音のこと。
この音の問題はシュパーブライン「第1弾」D51の場合と良く似ている。考えてみれば、この2車は音の発生を嫌って、組立て完成後現在まで余り走行させていない。ギヤーのなじみもすり合わせ出来ていないようだ。今後は考え方逆転して、音の出るものを優先してならし運転(40年前の機関車のならし運転とはおかしな話だが....)をかねた走行を行いたい。

(追記) ’05.6.14 その後「ならし運転」中のMOVIEスチール写真を掲載する。




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