「第11回」 14. ED70 電気機関車
(実車)
戦後フランスでは新しい交流電化を開発して鉄道の近代化を推進していた。
架線電圧は2万〜2万5千ボルトと高圧だが、地上設備が非常に簡単になり、車輌装置が若干余分に掛かっても投資額が直流電化より2割安く、年々の経費も勿論安くなるといわれた。
幹線電化促進を計画していた国鉄は、このフランス自慢の交流電化の経済性と可能性を検討し、仙山線を試験線に選び数種の試作機で比較検討を行った。その中でED451
(現ED 911)を基本として生まれた量産機 がED70 である。
赤い車体も華やかに、1957年北陸線に貨客両用機として登場しこれが国鉄最初の本格的交流電機となった。その出力1500kW、実にEF53 の1350kWを上回っている。
駆動装置はクイル方式で各部に新設計が施され、革命的な軽量、強力機が誕生したのである。形態的にも、屋上の高圧回路機器を始め、従来の直流電機とは全く違うスタイルとなっている。
(模型)
1960年(昭和35)カツミ発売の初期製品の未塗装キット。
但し、この60年発売のものは1Motor 方式であったため翌1961年2Motor 仕様の発売を待って購入した。
ドロップ台車、メッシュを貼った機器箱などがこの初期型の特色で、この点、ダイキャスト台車、機器箱もキャスティングパーツになった二代目製品とは全く異質のものである。
ヘッドライト、テールライト切替点灯、走行音も低く、2Motor 仕様らしい重厚でスムーズな走りに満足している。
「第12回」 15. C5941蒸気機関車
(実車)
国鉄の本線用急行旅客列車牽引機としては幹線の50キロレールの上(具体的には東海道、山陽線)だけを走れる超弩級3シリンダーのC53 と 2シリンダーのC51、C54、C55、C57 と続く系統の2系列となった。
C53 は良好な成績を示しながらも、保守に手間を要したことが好まれず、これに代わるべき
2シリンダーながら強力高性能の大型機関車C59 が新製されることになった。
このC59 には「最後の...........」で形容される事柄が2つある。それは国鉄最後の、そして最大のパシフィック(2C1)であったこと、と本格的設計の最後の機関車となってしまったことである。(以後、新製された蒸機はボイラーの流用.......いわゆるD → C 転換であったり、軸重視軽減改装であったりで本格的設計ではない)1941年(昭和16年)その第1号機がデビューした時は、久しぶりの特急用蒸機としてファンの注視を一身に集めたロコである。
戦後型も生産され合計170輌をこえ、期待にこたえて特急列車を戦前、戦後にわたって牽引したが、軸重が重いため電化の伸展による転属に無理があって廃車は早かった。
(模型)
1962年(昭和37)カワイモデル発売
発売当時の広告文に「そのまま組立てて、スムーズに強力に動く.......」とあるが、当時の模型事情は、品質にバラツキがあり、組立て調整に大変苦労する事が多かった。
このカワイのC59 は、広告文に偽りなく、当社のレール上を今なお快調に走行する。トラブルといえば唯一回のモーター軸とギヤーボックスを結ぶゴムチューブの劣化による破断のみである。全体のプロポーションも、まずまずで、TMS166号(1962/4)でも「すぐ走る大型機として、ファン諸兄にお薦めしたい」と概ね好意的な評価を行っている。上掲の写真で明らかなように、シリンダーブロックをダイキャスト製にしている点が大きな特色である。未塗装モデルでは良く目立つが、塗装すれば問題にはならない。
それよりもTMS ではデフレクター下部を折り曲げて取り付けた点を、強度的にもその必要はないと指摘している。
そしてこの折り曲げは指摘後、直ちに改良されたのである。
上掲写真に見るように、デフレクター下部の折り曲げられた当社のC5941は、発売後40年以上となるカワイの長寿命製品の発売開始直後の姿を示す、貴重な生き証人と言えるかも知れない。そういえばC51→
C62 すべて揃える方針でいたのでカワイのC59 発売開始を待ち構えて飛びついたのは確かである。
(当時の鉄道模型界を取り巻く環境については、過去へのタイムスリップの「第6回」で触れている。)
(余談)
C5941の番号について
今まで取り上げた機種については、そしてこれから取り上げる機種についても、ED16、C62
のように電機であれ、蒸機であれ機種番号までで、製造番号まで表示していない。
(EF5861のように特定製造番号をPROTOTYPE としたMODEL の場合は別であるが)
C5941の場合41号の特徴をモデルデザインに折り込んだ様子もないし、又、カワイのカタログでもC59形としか表示されていない。しかるにキットに用意されているナンバープレートはC5941のみである。(当時から一般機種の場合、複数のナンバープレートが用意され、ユーザーは好みの番号を選ぶ方式が多かった。)メーカーが41号一種しか用意せず、しかも41号でなければならぬ理由が見つからぬ。
こうした事から「C5941」を「至極く良い」と読ませる語呂合わせをメーカーが意図しているのではないかとの、うわさが当時広まっていたのは事実であるが、真偽の程は不明である。
ともあれ、当社のC59、今でも「C5941」のナンバープレートを誇らしげに掲げている。
「第13回」 16. EF18 電気機関車
(実車)
EF18 のルーツEF58 は1946年から登場した旧ボディ(箱型)のEF581〜EF5831と1952年から製造された流線形ボディのEF5835以降の2つのグループに分けられる。(「第7回」 10.EF58 電気機関車参照)この2つのグループに挟まれて見込み生産中のEF5832〜EF5834の3台が行き場を失い急遽、歯車比の変更と死重の積載により、貨物用に転用してEF18
が生まれた。その為、外観は旧EF58 (デッキ付き箱型ボディ)に酷似しており、ナンバーもEF58の続番をあて32〜35を名乗っているいわば敗戦から復興への過渡期の申し子的存在の機関車である。
性能的にはEF15 に準じたもので、主に静岡、浜松地区のローカル貨物輸送で活躍。旧ボディ時代のEF58
の面影を残す車輌として注目を集めた。
(模型)
1965年鉄道模型社発売
ED16 のところで述べたように、箱型ボディにデッキを付けた電機が小さい時から見慣れ親しんできただけに大好きであった。一方、EF58
(新)はすでに組立ててしまっている。そのEF58 の分身ともいえる、そして数奇な運命のもとに生まれたEF18は、是非入手したい機関車であった。こうした理由から、鉄道模型社の発売を今回も待ち構えて購入した。
「鉄道模型考古学」のリストでは、1965年塗装済みキット発売となっているが、未塗装キットを購入した時点では塗装済みキットは未だ発売されていなかった。従って1965年より以前に購入していたかも知れない。
1Motor 3軸ドライブであるが、大きなウエートを積んでいるので牽引力は期待できる。しかし曲線通過性能は良くない。主台車枠の構造からやむを得ない点ではあるが........。
なお屋根上のガーランドベンチレーターはキットには付属していなく、後になって別途取り付けたものである。